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高齢者が増える日本での活躍はかなり期待されています。

ヘルパーとの違い

実習がなくなった

ヘルパーとの違い 写真

巷で話題のヘルパー2級では30時間の実習を行うことが慣例となっていました。 施設でディサービスの実習や訪問介護を一週間程体験することで、即戦力に近い 能力を持つ人材を迅速かつ大量に輩出すべくこの制度があったのです。 ですが介護初任者研修では実習の義務は一切なくなりました。 その理由は実習生を受け入れる側とのトラブルが少なからずあったようで、人の 命にも関わる重大な任務を初心者にやらせるわけにはいかない、という施設の職員 の意見も影響していたのではないでしょうか。 お人形相手に練習するのならともかく、実際に現場で介護を必要としている方達 のお世話をするのはベテラン職員でも楽なことではありません。 それなのに講義を受けただけの実習生に任せるのは、施設としても大きな負担が 発生するイベントとしか受け止められなかったのでしょう。 なにかあったら責任問題にもなりますのでつきっきりで指導しなければならず、 ただでさえ人手不足の介護施設は実習生を受け入れる余裕がほとんどなかった、 というのが包み隠さない本音のようでした。 また昔なら老人ホームという括りならば同じような業務内容で、全国どこの施設 へ行くことになっても似たような実習をすることができたのですが、現在では介護 施設も多様化しており派遣された施設によって内容が随分と違うことも、この制度を 見直すきっかけになったと思われます。 とはいえ雛鳥にとっては経験を積むチャンスであることも間違いありませんので、 必須ではなくなっても続けているスクールもありますし、もしチャンスがあるのなら ぜひとも参加すべきでしょう。



修了試験の実施

ヘルパーとの違いで誰でも気が付く点は、介護初任者研修では修了試験が実施される ということが挙げられるでしょう。 ようはテストを受けてそれに合格しなければいけないので、全ての人が確実にこの 資格を取得できるお手軽で簡単なものではなくなったのです。 この修了評価試験を通過しなければ何時間受講しても、「人並み以上に介護について 詳しいと自負しております、もう講義をする立場にだってなれるんじゃないかと 錯覚しそうなほどにです。なんなら夜が明けるまで語りましょうか?」という人でも 介護初任者研修の有資格者にはなれません。 この道へ進むのなら避けては通れないのが修了評価試験です。 内容は各都道府県によっても違いますが各科目から1問以上、最低32問で構成 されるのが慣わして、最重要の5問だけで合否を決定するようなことにはなって おらず、幅広い知識を要求される高度な内容となっています。 出題される問題は毎年変化しますしスクールごとに別の問題が用意されるので、 「このポイントだけ記憶しておけば合格各間違いなし!」という甘いものでは なさそうなのが受験生泣かせかもしれませんですね。 でもしっかり講義を受けてさえいればそれほど手こずる難問ではなく、むしろ受講中 に目を覚ましてさえいれば解けるような出題が多いようです。 仮にこの試験で不合格になったとしても、補修を受けてから再試験に挑戦して合格 すればいいのであまり心配することもありません。 挫けずに立ち向かいましょう。



スクーリング

介護初任者研修制度では実習が必須項目でなくなった分、スクーリングの時間が 相当増えたようにわたしは感じられます。 学ぶことが多くなるのは優秀な人材を育てることに直結するので、やる気のある 人ならば望むところと喜ぶかもしれません。 資格取得までにかかる時間が長くなれば途中で投げ出す人も出てきますが、それは 心の底から「どんどん介護するぞ、人の役に立つ人になるぞ、目標はナイチンゲール のように後世に名を残す偉人でなくてもいいけど人に喜ばれる人物だ!」という 心意気を胸に秘めた人には該当しませんので、人材を選別する意味でもこの変更は みんなを納得させるだけの説得力があります。 スクーリングにどれだけの時間を費やすのか、介護初任者研修制度だと90時間強 になるので一週間ではとても無理、2週間近くかかると考えておきましょう。 通信教材を使っての自宅学習は40時間弱、合計約130時間の学習になります。 全てを修了するのに早ければ1ヶ月でも不可能ではありませんが、一般的にはおよそ 3〜5ヶ月を目処に計画を立てるのが理想でしょう。 あまりに無茶なスケジュールを組んでも辛いだけです。 また認知症ケアの科目が増えたことも介護初任者研修での変更点に含まれます。 日本でも認知症患者の人口が増えているので、それをケアする介護施設の職員が 上手に対応できるよう改革されているのです。 いわば基礎としてこの科目が追加された、と捉えておきましょう。



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